光の少女Ⅱ【救出編】
3
牢を抜け、まだ朝早く人の気配のない街中を抜けると、雷の国との境である川が見えてきた。
(あの川を越えたら、取り敢えずは・・・)
「!皆、止まって!」
国境の川が見え、安堵した花音は聞こえてきた星夢の声に慌てて足を止める。
その花音達の前の地面が、先へ行かせないというように割れる。
「・・・悪いけど、逃がすわけにはいかないんだ。戻ってもらおうか」
「火焔くん!?」
聞こえてきた声に振り返ると、火焔、水蓮、大樹とそれぞれの国の兵士達が数人いた。
「違う、俺は・・・」
夜天達の視線が向けられ、紫影がそう声を上げる。
「そう。彼のせいではないわ。ただ、朝早くからこそこそと牢へ行く姿を見て、不思議に思った兵士が教えてくれたの」
「悪いことはいわないよ。もう一度、牢へこのまま入ってくれれば、俺達もこのことはなかったことにする」
大樹の言葉に、雷牙が鼻を鳴らした。
「それで戻ってどうしろって?俺達をどうするか決めるのは、どうせ陰の一族の上層部。ろくでもない目に合うに決まってる。なのに、じっとしていろって?」
「それにお前達は陰の一族についた。俺達と道を違えた今、俺達が大人しくいうことを聞くと思うか?」
雷牙と夜天の言葉に、その場の空気が張り詰める。
「いいのか?抵抗するなら、此方もそれなりの対応をすることになるぞ」
火焔の言葉で、兵士達が身構える。
「ねぇ、刹那くんの力じゃどうにかならないの?」
「無理だ。動きを止めるにも、何処かに飛ぶにも、人数が多い分時間が掛かる。こんな急には・・・」
「強行突破しかないか」
美咲に聞かれ、刹那が首を横に振ったのを見て、凍矢が呟く。
その時、それまでずっと黙っていた風夜が、花音達の前に出て口を開いた。
牢を抜け、まだ朝早く人の気配のない街中を抜けると、雷の国との境である川が見えてきた。
(あの川を越えたら、取り敢えずは・・・)
「!皆、止まって!」
国境の川が見え、安堵した花音は聞こえてきた星夢の声に慌てて足を止める。
その花音達の前の地面が、先へ行かせないというように割れる。
「・・・悪いけど、逃がすわけにはいかないんだ。戻ってもらおうか」
「火焔くん!?」
聞こえてきた声に振り返ると、火焔、水蓮、大樹とそれぞれの国の兵士達が数人いた。
「違う、俺は・・・」
夜天達の視線が向けられ、紫影がそう声を上げる。
「そう。彼のせいではないわ。ただ、朝早くからこそこそと牢へ行く姿を見て、不思議に思った兵士が教えてくれたの」
「悪いことはいわないよ。もう一度、牢へこのまま入ってくれれば、俺達もこのことはなかったことにする」
大樹の言葉に、雷牙が鼻を鳴らした。
「それで戻ってどうしろって?俺達をどうするか決めるのは、どうせ陰の一族の上層部。ろくでもない目に合うに決まってる。なのに、じっとしていろって?」
「それにお前達は陰の一族についた。俺達と道を違えた今、俺達が大人しくいうことを聞くと思うか?」
雷牙と夜天の言葉に、その場の空気が張り詰める。
「いいのか?抵抗するなら、此方もそれなりの対応をすることになるぞ」
火焔の言葉で、兵士達が身構える。
「ねぇ、刹那くんの力じゃどうにかならないの?」
「無理だ。動きを止めるにも、何処かに飛ぶにも、人数が多い分時間が掛かる。こんな急には・・・」
「強行突破しかないか」
美咲に聞かれ、刹那が首を横に振ったのを見て、凍矢が呟く。
その時、それまでずっと黙っていた風夜が、花音達の前に出て口を開いた。