光の少女Ⅱ【救出編】


「・・・っ・・・?」

「あっ、気がついた?」


意識が戻ったのか、うっすらと目を開けた紫影に、花音は声を掛ける。


「・・・ここは・・・?」

「光の街だよ。何とかあそこから、逃げ出せたから」

「・・・そうか。・・・なぁ」

「ん?何?」

「もう少し休んだら、他の奴等も呼んできてくれないか」

「えっ?」


紫影の言葉に、きょとんと目を見開く。


「お前達に話したいことがあるんだ」

「・・・わかった。風夜達に声を掛けとくね」

「ああ。頼む」


紫影はそう言って、まだ辛かったのか再び目を閉じる。それを見て、花音は彼を起こさないように、そっと部屋を出た。

「あいつ、気が付いたのか?」


花音が風夜達のいる部屋に入ると、雷牙が声を掛けてきた。


「うん。もう少し休むって言ってたけどね。・・・皆は、もういいの?」

「ああ。あまり、休んでいても、身体が鈍るしな」

「それより姉上。彼奴と陰の宝珠を取りに行った時のこと、聞かせてもらってないけど、何があったんだ?」

「えっと・・・」


光輝に答えようとした時、それまで眠っていた白亜が何かに反応するように顔を上げた。

それと同時に扉が開いて、元の世界へ宝珠を取りに行っていた凍矢達が入ってきた。
< 60 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop