光の少女Ⅱ【救出編】
「それにしても、驚いたね」
「ん?」
「まさか、聖ちゃんと紫影くんが姉弟だったなんて。でも、納得したかな?」
紫影の話の後、散歩に出た花音が呟くと、ついてきていた風夜が聞き返してくる。
「納得って、何がだ?」
「ふふ、ちょっとね」
風夜にはそう返して、宝珠を取りに行った時の聖の様子を思い出す。
それを不思議そうに見てきた風夜に、その時のことを話そうとした時、一人の男が慌てたように走ってきた。
「あの、何かあったんですか?」
「あ、ああ。街の外で一人の女の子がよくわからない奴に襲われてるんだ。街に近いから、光輝様に報告して・・・」
男性の言葉が終わらない内に、花音は走り出す。
「花音、待て!一人で行くな!」
後ろから慌てたように、風夜が追ってくる。
そのまま走っていくと、一人の少女と少女を囲む翼を生やしたもの達が見えてきた。