光の少女Ⅱ【救出編】
砕け散った壁の先に見えたのは、巨大な氷の柱とその中にいる三人の人物だった。

それが見えた瞬間、ふらふらと神蘭が近付いていく。


「千歳・・・、星華・・・、昴・・・」


氷の柱に手を当て、中に閉じ込められている三人の名らしいものを呟いた神蘭が振り返る。


「頼む・・・、早く三人を・・・」

「ああ・・・」


頷いて、凍矢が氷の柱に手を当てる。

数十分掛けて氷が溶けた時には、中にいた三人は、地へ倒れこんでいた。


「・・・これでいいのか?」

「ああ。・・・ありがとう」

「よし、用が済んだなら、さっさと戻るぞ。こんな所に、長居は無用だろ」


そう言って、刹那が再び精神を集中させる。

気が付いた時には、光輝の屋敷前に戻ってきていた。
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