光の少女Ⅱ【救出編】

トントンッ


食事の準備が出来ても、姿を見せない神蘭を呼びに来た花音は、彼女がいる部屋の扉を叩く。


「どうした?」

「夕食の準備が出来たんだけど・・・、まだ誰も気が付かない?」


彼女の後ろ、寝かされている三人をそっと見る。


「ああ。数百年も氷の中で眠っていたんだ。まだ調子が戻らないのだろう」


そう言いながらも、神蘭が三人を見る目は寂しそうで、花音は思わず声を掛けた。


「三人のこと、本当に大切なんだね」

「あの三人は、ずっと私についてきてくれた。私がこの世界に来る前からの部下であり、大切な仲間だからな」

「この世界に来る前?」


首を傾げた花音に、神蘭が少し笑って言う。


「私も元々は別世界から来たんだ。この世界を、奴等から守る為に」

「そうなんだ。・・・ねぇ、あの三人ってどんな人なの?」

「三人か。そうだな、まず千歳は・・・」


花音の問いに、神蘭は明るい口調で話し始めた。
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