光の少女Ⅱ【救出編】
第3部 目覚める血
第1章 分かたれた国
1
飛竜から下り、花音は久し振りに風の国の地を踏んでいた。
「・・・・・・」
「何だ。思ってたより、普通だな」
辺りの街の様子を見ながら歩いていた花音は、聞こえてきた刹那の声に足を止めた。
「・・・おかしいよ」
「花音?」
「だって、だって・・・」
呟きながら、風の国を脱出した時のことを思い出す。
確かにあの時、陰へのまれていく国を見たのだ。なのに、今はそれ以前の平和だった時と変わらない街の様子があった。
それはいいことの筈なのに、あまりいい気がしない。
風夜もそれは同じらしく、難しい顔をしていた。
「とにかく、もう少し街の様子を見てみましょう」
「あ、君達」
星夢が言って歩きだそうとした時、一人の男性が声を掛けてきた。
「何ですか?」
「北の方へは行かない方がいいよ。向こうは危険だからな」
そう言って、男性は立ち去っていく。
「北へは行かない方がいい・・・ねぇ。どうする?」
「行ってみよう」
「そうだな」
「まぁ、そう言うと思ったけどな」
星夢の問い掛けに答えた花音と風夜に、刹那は肩を竦めた。
飛竜から下り、花音は久し振りに風の国の地を踏んでいた。
「・・・・・・」
「何だ。思ってたより、普通だな」
辺りの街の様子を見ながら歩いていた花音は、聞こえてきた刹那の声に足を止めた。
「・・・おかしいよ」
「花音?」
「だって、だって・・・」
呟きながら、風の国を脱出した時のことを思い出す。
確かにあの時、陰へのまれていく国を見たのだ。なのに、今はそれ以前の平和だった時と変わらない街の様子があった。
それはいいことの筈なのに、あまりいい気がしない。
風夜もそれは同じらしく、難しい顔をしていた。
「とにかく、もう少し街の様子を見てみましょう」
「あ、君達」
星夢が言って歩きだそうとした時、一人の男性が声を掛けてきた。
「何ですか?」
「北の方へは行かない方がいいよ。向こうは危険だからな」
そう言って、男性は立ち去っていく。
「北へは行かない方がいい・・・ねぇ。どうする?」
「行ってみよう」
「そうだな」
「まぁ、そう言うと思ったけどな」
星夢の問い掛けに答えた花音と風夜に、刹那は肩を竦めた。