光の少女Ⅱ【救出編】
「花音!何してるの!?早く!」

「うん。・・・でも」


星夢の声に、花音は風夜を見る。


「くっ・・・、ぐうぅっ・・・!」


窮姫達の力を防いでいる彼に余裕はない。


(今、風夜が結界を解けば、皆、此処でやられる。・・・ううん、解かなくても今の状況だと)


激しく叩き付けられている力の渦に、結界を破られそうなのを必死に堪えている風夜と、既に光の街へ戻る準備は出来ている刹那を見る。

迷っている暇はなかった。


「行って!刹那君!」

「花音!?」

「いいから、早く!!風華ちゃんと空夜さんを!」

「・・・わかった。・・・行くぞ」

「ちょっ、待っ・・・」


何かを言いかけた星夢を遮るように、刹那が能力を発動する。

刹那達の姿が消え、ほっと息をはいた時、何かが砕ける音がして、激しい衝撃と痛みを感じ、花音は意識を失った。
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