光の少女Ⅱ【救出編】
「風夜?」
「・・・そんなことやるだけ無駄さ」
「無駄って、やってみないとわからないだろ!」
「やらなくたって、わかるさ。火焔」
口を挟んできた火焔に、風夜はそう返す。
「俺の父と兄のことだ。お前らより、俺の方がよく知ってる。俺が何を言おうと、従わないものは従わないさ」
「っ・・・」
「・・・花音、貴女は?」
「私は・・・」
水蓮に聞かれ、花音は口を開いた。
「私は、光輝の判断に口出し出来ないよ。今まで光の一族を纏めてきたのは光輝だし、・・・ううん、そうじゃなくても、やっぱり協力は出来ないよ」
「・・・だそうですよ」
そう言って、火焔達を聖が見た。
「だから、言ったじゃないですか。聞くだけ無駄だと」
その言葉に火焔達が視線を落とす。
そこでそれまで黙っていた男が口を開いた。
「風夜様、私は貴方方、王族に今まで大臣として仕えてきました。だが、今回の判断を貴方方は間違えた。・・・貴方方の決断は、国の為にならない」
「だから、裏切ると?」
「ふん。裏切ったのはどちらだか。国民の大半は、私を支持している。真っ先に国を、民を捨てた貴方に、どうこう言われる筋合いはありませんね」
「なっ!?それは・・・」
「・・・・・・花音、いい」
あまりの言いぐさに反論しようとして、花音は風夜に止められた。
「とにかく、これからは私が風の国を治めていく。その最初の仕事として、民を危険に晒し、苦しめる王族を処刑するのです。・・・特に貴方方二人は、王族二人を逃がした罪もある。・・・処刑まであと二日。もし気が変わったら言ってください。王族には戻れませんが、命だけは助けてあげるかもしれませんよ、ははは」
そう言いながら去っていく男の後を、窮姫と聖も笑いながらついていく。
残ったのは、何か言いたそうにしている火焔達だった。