光の少女Ⅱ【救出編】
「それだけじゃないっていうのは?」
「・・・処刑までの時間だ。俺達は二日後に処刑されることになっていた。その日付が変更されてないなら・・・」
空夜の言葉に、光輝が座っていた椅子から立ち上がった。
「・・・待て」
それを制するように、神蘭が声を上げる。
「二人を助けるのは、私に任せてくれないか?」
「あんたにか?」
言った神蘭を紫影が見る。
「ああ。上級魔族が相手ではお前達が行ったのでは同じことだ。ただ一晩だけ時間をもらえないか?さすがに私だけでも厳しいから、私の仲間を呼ぶ。その為の時間だ。気になるだろうが、救出は任せてもらって、ここで待っていてくれないか?」
「・・・わかった。二人のことは任せる」
代表するように答えた夜天に、神蘭は大きく頷くと刹那を見た。
「悪いが、お前には協力してもらう。私と私が呼ぶ五人、千歳、昴、星華を連れて、風の国へ行ってもらうぞ」
「って、多くないか?」
「案ずるな。宝珠の力を使えば、帰りに更に三人増えようが造作もないことだ。千歳、昴、星華、宝珠の使い方を教えてやるといい」
そう言って、神蘭は立ち上がる。
「私は早速連絡をとってくる。私の仲間が着き次第、出発するぞ」
その言葉を最後に神蘭は部屋を出ていった。