光の少女Ⅱ【救出編】
第4章 予兆
1
宝珠があるという谷に着いたのは、刹那の力を使った為、すぐのことだった。
「それで宝珠は何処にあるんだ?」
谷以外何もない場所を見回し、昴が聞く。
「この谷底さ。あそこから下りられる」
そう言って風夜が指した先には、険しい道があった。
「よし、じゃあ妨害が入らないうちに行くか」
「そうだな」
刹那と千歳が歩きだす。花音もそれに続こうとして、王が何やら難しい表情をしているのに気付いた。
「あの、どうかしたんですか?」
「・・・いや、何でもないよ」
答えて歩き出した王に、残された花音は首を傾げる。
何かが引っ掛かった。
谷底に着くと、そこには小さな祠のようなものがあった。
「あった!」
その中に宝珠があるのだろうと思い、その扉を開ける。
中に宝珠があるのを見つけ、花音は声を上げた。
「っ!」
同じように祠を覗いていた風夜が宝珠を取り出そうと手を伸ばす。
その時、宝珠の周りに電流が走り、風夜を拒絶したように見えた。
何かの間違いなのかとも思ったが、風夜は引っ込めた手を押さえている。
その彼の手には、焼かれたような酷い火傷が出来ていた。
(どういうこと?今までこんなことなかったのに)
思いながら風夜の代わりに宝珠に手を伸ばす。
風夜を拒絶したようにも見えた宝珠は、花音の手を傷つけることなく、あっさりと手に入った。
宝珠があるという谷に着いたのは、刹那の力を使った為、すぐのことだった。
「それで宝珠は何処にあるんだ?」
谷以外何もない場所を見回し、昴が聞く。
「この谷底さ。あそこから下りられる」
そう言って風夜が指した先には、険しい道があった。
「よし、じゃあ妨害が入らないうちに行くか」
「そうだな」
刹那と千歳が歩きだす。花音もそれに続こうとして、王が何やら難しい表情をしているのに気付いた。
「あの、どうかしたんですか?」
「・・・いや、何でもないよ」
答えて歩き出した王に、残された花音は首を傾げる。
何かが引っ掛かった。
谷底に着くと、そこには小さな祠のようなものがあった。
「あった!」
その中に宝珠があるのだろうと思い、その扉を開ける。
中に宝珠があるのを見つけ、花音は声を上げた。
「っ!」
同じように祠を覗いていた風夜が宝珠を取り出そうと手を伸ばす。
その時、宝珠の周りに電流が走り、風夜を拒絶したように見えた。
何かの間違いなのかとも思ったが、風夜は引っ込めた手を押さえている。
その彼の手には、焼かれたような酷い火傷が出来ていた。
(どういうこと?今までこんなことなかったのに)
思いながら風夜の代わりに宝珠に手を伸ばす。
風夜を拒絶したようにも見えた宝珠は、花音の手を傷つけることなく、あっさりと手に入った。