誰よりも、君が好き
+ + + +
「…まだあるの?」
「俺も休憩してぇ…」
二人だけの教室にやたら響く、パチンパチンと紙を止めるホチキスの音。
かれこれ20分、二人で無心に続けていても、悲しいことに紙の束は一向に減っていってくれない。
しかもその間、私はずっと携帯を確認しているから無心とは言えない…!!
隼人くんが手伝ってくれてて、頑張れなきゃ、集中しなきゃって思うのに、全然駄目だ…
そんなことを考えているとき
「なぁ悠。
なんでお前って、結城匠が好きなの?」
「えっ!?」
急な話題に驚いて、私は持っていたホチキスを床に落としてしまう。
カタン…
席を立ち拾おうとすると、同じように拾おうとしてくれていた隼人くんの手とぶつかってしまう。
「…っ、ごめん」
その声はどこか弱くて、思わずなにも言えなくなった。