誰よりも、君が好き

自分の席についてすぐ、携帯が光っているのに気づいた。



宛先を確認すると、それは匠くんで。





昨日、なにも言わずに居残りして、確認もせずに帰っちゃったから怒ってるかも…


なんて思いながら、恐る恐る内容を覗く。




でも、そこには一文

"担任に呼び出されたから昼はいい"

なんてことが書いてあった。




…それで、少しだけホッとしてる自分がいる。



匠くんにとって、私は下僕なのかも知れないけどさぁ

私にとっては好きな人なんだ。



昨日の隼人くんからの言葉で気持ちが揺らいだのを、なんとなく後ろめたい気持ちでいるんだ。




きっと、本人はなんとも思ってないんだよね…




携帯を手に握って、しゅんとしてしまう。





すると頭上に影ができた。





「どうしたの??」





そこにいたのは、にっこりと微笑むあかりだった。