誰よりも、君が好き
「家まで送るよ」
本当は断りたかったけど、
さすがに私も、泣きまくって赤く腫れた目のまま一人で帰るのは辛い。
「うん……」
今日だけ、と思いながら、私は隼人くんと一緒に帰ることにした。
帰り道の間、隼人くんはなにも話しかけてこなかった。
そんなところにもまた、優しさを感じる。
明日から、どうすればいいんだろう。
……匠くんのいない日常は考えられない。
だから、学校に行くのも嫌だ。
関わるなってことは、匠くんから話しかけてくれることだってないんでしょう?
…寂しいよ
……こんなに君を思っているのに。
君は、私を遠ざける。
張り裂けそうな胸の痛みを堪えられず、
隼人くんと別れて自分の部屋に入ったとたん、涙が溢れ出した。