誰よりも、君が好き





やまない頭痛に、試しに体温をはかってみると、熱があった。




熱は辛いけど、学校に行くのなんかよりよっぽどマシ。


いいことでもないのに、喜んでいる私がいた。








「おかあさーん

 熱あるから学校休むー」




リビングにいるお母さんにも、

正直顔を合わせたくないけど、しょうがない。






「…悠、そんな顔して、どうしたの」



「あー、ちょっと泣いただけだよ?」






聞かれるとは分かっていたけれど、いい嘘なんてなにも思いつかなくて。




お母さんは、一瞬寂しそうにしてこう言った。







「悩みがあるなら、相談してくれてもいいんだよ」





…そんなこと言わないでよ。



優しいと、甘えちゃいたくなる。

涙が出そうになる。







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