誰よりも、君が好き
「じゃあ、そろそろ帰るね。」
日が落ちてきて、空が赤く染まってきたころ。
里奈がそうきりだした。
「うん、気をつけて」
三人で話す時間はやっぱり楽しい。
…でも、それでも、
あかりとはなかなか目を合わせることもできなかった。
後ろめたい気持ちが邪魔をする。
言ったら傷つく
そう考えるのだって、私には辛いんだ。
「悠、はやく元気になるんだよっ」
「ありがとう」
あかりがガッツポーズをしながらいった言葉に苦笑して、私は二人の帰りを見送った。
―――でも
ガチャン
一度閉まったはずの扉がもう一度開いて
そこから顔をだしたのは、里奈だった。