誰よりも、君が好き
「…どうしたの?忘れ物?」
いつになく真剣な眼差しを向けてくる里奈に、少しだけ戸惑う。
「ねぇ、悠」
里奈は俯きながら、私にこう言った。
「悩みがあるなら、相談してよ
なんのための友達!?
なんのための親友!?
話せなくても、悠が苦しそうにしてるのは私が辛いの。
なんにも出来ないのは、私だって苦しいの。
…ちょっとくらい、私たちのこと、
頼ってくれてもいいじゃんか…」
最後の方は、里奈の嗚咽が混じって聞こえにくかった。
…そんな風に、思ってたんだ。
そんなに私、“悩んでます”って顔だったかなぁ
「…ごめんね、今はまだ話せないや」
そう言うと、里奈は驚いたような表情をした。
「でもっ、ね」
私は声を、真っ直ぐに届くように言う。
「終わったら、話すから」