誰よりも、君が好き
「ねぇねぇ!!
入学式、遅刻してきたこだよね?」
うわ…ばれてたんだ
怒られていたところを見られていたと思うと、少し恥ずかしい。
…いや、ね?
遅れた私が悪いし、
あんなに堂々と怒られていたわけだけれども。
「あのあの!!
隣のイケメン君って、誰!?」
好奇心を抱えたその笑顔が、
何気に私の心にグサッとささる。
…なんだ、結城君のはなしか。
友達が増えるのではないかと、
期待していた自分がいて。
心が傷んだ私だよ。
「えっと、結城君のことかな?」
私は若干ひきつった笑みを浮かべながらも、その女の子に言葉を返す。
すると
「結城君っていうの!?
ねぇ、あの人なん組か分かる?」
やはり私に関しての質問は一切なし。
自分で探せよ…
なんてひどいことを考えてしまう。
「六組、だよ。」