誰よりも、君が好き
扉がピシャンと閉められた瞬間、
視界が歪んで前が見えなくなった。
傷つけたはずの私が、傷ついてどうするの。
…そう思うのに。
匠くんとあかり
すれ違ったままの二人と私
もう、全部全部やり直せたらいいのに。
行くあてもなく、ホームルーム中で誰もいない、音のしない廊下を歩く。
涙でグシャグシャになった顔もそのままに、フラフラと歩き続ける。
帰りたい…けど、かばんだけを教室に置いてきてしまった。
…どうしよう。
明日から、あかりとは話せなくなっちゃうのかな。
明日も、匠くんに避けられちゃうのかな。