誰よりも、君が好き
ふと、足の力が抜ける。
「…ッ」
ガクン、と膝から崩れ落ち、そのまま立ち上がれない。
なんで、なんで
私はなんで、こんなにダメな人間なんだろう。
隼人くんが好きになってくれた意味だって分からないよ。
嫌だ。
あかりにも、匠くんにも
嫌われたくない。
好きな人に嫌われたら、私は壊れてしまうから。
「…いか、ないで……」
掠れるような声でそう呟き、私はそのまま意識を失った。
どこか遠くで、匠くんの声が聞こえた気がした。
私の名前を呼んでくれる、大好きな君の声が―――――