誰よりも、君が好き
よろけたところをあいつが支えてわたわたしてるのが、なんだかすげぇ可愛くて。
赤くなる顔を隠すように屈むと、頭上に影ができた。
なにかと思って顔を上げてみると、そこにはドアップのあいつの顔。
驚いたように体を避けると、暗いのなんて関係ないくらい、お前が頬を染めているのがわかる。
…つーか。
バッグ忘れた俺がわりぃんだけどさ?
…お前もそうやって可愛くしてくんの、やめてくんねぇかな。
――気持ちが、溢れそうになる。
俺はその日、あいつと“約束”をした。
頷くお前にほっとした俺は、もうすでに重症なんだと思う。
だから、忘れていたんだ。
目の前の幸せに浸りすぎた俺は
―――気持ちの制御がきかなくなる。