誰よりも、君が好き
そのことに関しては俺も若干嫌だったし……
そう思って、俺はあいつに少しずつ近づく。
なにをされると思ったのか、あいつは目を瞑って俺を待つ。
俺は、ちょっとした意地悪のつもりで耳元でこう囁いた。
「今日は俺と一緒に帰れよ?」
案の定、あいつの顔は瞬く間に真っ赤になって。
その反応が好きだから、ついやりたくなっちまうの、分かってねーよな。
俺はそのままあいつの元を去った。
先生に任された仕事をやる最中
あいつの作ってくれた弁当には、昨日の俺の要望通りの卵焼きがあって。
「うま……」
思わず笑みを浮かべて、放課後一緒に帰る時間を楽しみに仕事を進めた。