誰よりも、君が好き
『匠―――!!』
歯を見せて笑う夏希の顔がふと浮かんだ。
………ごめん、ごめん、ごめん
何度も、何度も
好きじゃないと言い聞かせた。
でも、駄目だった。
気づかないうちに大きくなりすぎたあいつの存在と、俺の想いは
いったいどこに消せばいいのかな。
屋上に着くと、生温い風が横を通りすぎていく。
フェンスにもたれ、俺はもう一度考える。
俺は、あいつの隣にいてもいいのか
と
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