誰よりも、君が好き
さっき、見てしまったのが現実。
いくら前に俺があいつに告白されたのが事実だとしても
それはあくまで前の話だ。
今のあいつの好きな人が俺だなんて、いつ誰が言った?
いつまでも自惚れていたのは…俺の方だ。
きっと、さっきのやつがあいつのお好きな人。
キス…されてたってことは、二人は両想い?
想像を膨らませれば膨らませるほど、
俺の胸の痛みは大きくなっていく。
そんなことを考えていた時。
バタンッ
大きな音をたてて扉が開いた。
「たくみ、くん………」
驚いてそちらに目を向けると、そこには息を切らせて俺の名前を呼ぶあいつが立っていた。
っ、なんで、ここに………