誰よりも、君が好き
1限が始まってすぐのこと。
『結城ー
資料室から、取ってきてもらいたい物があるんだけど……』
そんなことを言われ、俺は資料室に向かうために一人で廊下を歩いていた。
――すると。
前に人がいるのが見えた。
フラフラと、足をもつらせながら歩くその女は、どこか見覚えがあって。
あいつだって、すぐに分かった。
なんでこんな時間に廊下にいるのかと、疑問を抱いたその時。
彼女がパタリと、倒れこんだ。
なにごとかと思って、俺は体の動くがままにあいつに駆け寄る。
――意識は、なかった。