誰よりも、君が好き
あまりにもケロリと発せられたその言葉は、にわかにも信じがたいものだった。
そんな私を他所に、先生は話を進めた。
「慌てた様子で誰か来たと思ったら、結城くんがあなたをこう… お姫様だっこって言うのかしら? 抱えてきてね。
無事だって分かると、ホッとしてすぐ戻っちゃったんだけどねぇ…」
すっごく、かっこよかったわよ。
なんてにこにこしながら話す先生の言葉が、だんだんと聞こえなくなっていく。
…なんで。
なんで君は、いつもそうやって私に優しくするの。
そうやってすると、私は、どんどん君の気持ちが分からなくなっていくんだよ。
話せない時間を、寂しいと感じてしまうくらい。
…君への“好き”が募っていく。
「あの、もう大丈夫なので失礼します」
私はベッドから降りて、ペコリと頭を下げた。
……まだ、終わってないことがひとつ。
隼人くんと、話さなきゃ。