誰よりも、君が好き






「夏希………」




次に聞こえたのはこんな言葉。



夏希、さん





いつか、君が屋上で言っていた言葉。





やっぱりその人は、君にとって大切な人なの?



…ちくちくと、胸が痛む。








「……ごめん」





次は、謝罪の言葉。




…誰に対しての“ごめん”?

…なにに対しての“ごめん”?














そして、極めつけはこれ。







「………好き、なんだ……」








誰に向けられた言葉なのかも


君が今、誰を思って“好きだ”と言ったのかも



全部全部、分からないのに





この、ずぅっと痛くて仕方ない心は、

君が好きすぎるからなんだって、分かるんだ。











――ねぇ、教えてよ



君の、本当の気持ちを。













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