誰よりも、君が好き
「…な、つき………?」
大人たちが、うるさい。
耳鳴りは、止まない
夏希のもとまで、必死で辿り着くと
夏希はまだ意識があるのか、目があった気がした
「夏希―――」
彼女の手を、ぎゅっと、強く握ると
それに応えるようにして、きゅっと、とても弱い力で握り返される。
「た、くみ?」
滑り落ちていく涙は、血に呑まれて見えなくなる。
「なつきっ……!! なつ、き………」
泣いて、君に聞こえるように
大きな声で、かきけされないように