誰よりも、君が好き
目を閉じた夏希の顔は、笑っていて
嫌だ、そんなの、嫌だ
さっきまで、一緒に歩いてたじゃん
好きって、言い合って
笑いあえてただろ?
お前のだいすきの返事、俺はまだできてないよ
『俺もだいすき』って
まだ伝えられてないじゃんかよ……!!
ポツポツと、眠る夏希の顔に雫が落ちていく
「なつきぃ………」
服に血がついたのなんて、気にならない
傍に、いたいんだ
誰よりお前が好きなんだ
俺を守って死ぬなんて
そんなカッコつけたまね、しなくていいから
そういうのは、男がやることだろ?
起きろよ、夏希
目ぇ、さましてくれよ
何度体を揺すっても、お前が目覚めることは
もう―――――――――