誰よりも、君が好き
君は一瞬、驚いたようにしたけど
すぐに
「プハッ や、やめろよ…!!」
「やめないっ」
「やめろって……!」
苦しそうに、ひーひーと言う。
匠くんがくすぐり効くのなんて、お見通しなんだからな!?
「……ふぅ、こんなもんかな」
数分経って、私はやっと匠くんをくすぐる手を止めた。
額の汗を拭うような仕草をする私の横で、匠くんは未だ苦しそうに息を乱している。
「…なに、すんだよ」
やっと呼吸が整ったのか、匠くんが私にそう聞いてきた。
匠くんはさっきから立っていて、私はまだ屈んだまま。
立っている匠くんを見上げる私は、キッと匠くんを睨んでこう言った。
「…私は、匠くんに怒っていますっ」
……それも、ピシッて匠くんの方を指差したりなんかしちゃってさ。