誰よりも、君が好き
匠くんは、「なにに?」とか「なんで?」と言いたそうな顔をしているね。
悠ちゃんは、エスパーだから分かっちゃうんだよ。
「匠くんは、間違ってるよ」
そう言っても、いまいち納得できてない感じ。
…もう、匠くんも鈍感だよね。
なんて言葉は、直接言ったら怒られちゃいそうだから言わないでおこう。
「今から私がお説教するから
匠くんは黙って聞いていて。」
案の定、不思議そうな顔をした匠くん。
「なにそれ、意味わかんねぇ…」
「口答えしないっ
匠くん拒否権とかないから!!」
腕を組んでそう言うと、匠くんは呆れたように大きなため息をついて。
近くにあったいすを引いて、私の目の前に座った。
「…なに?」
久しぶりの威圧感のある低い声に、ちょーっとだけ怯むけど
大丈夫。
…私なら、言えるから。