誰よりも、君が好き





匠くんは、「なにに?」とか「なんで?」と言いたそうな顔をしているね。


悠ちゃんは、エスパーだから分かっちゃうんだよ。







「匠くんは、間違ってるよ」




そう言っても、いまいち納得できてない感じ。


…もう、匠くんも鈍感だよね。

なんて言葉は、直接言ったら怒られちゃいそうだから言わないでおこう。









「今から私がお説教するから

 匠くんは黙って聞いていて。」






案の定、不思議そうな顔をした匠くん。






「なにそれ、意味わかんねぇ…」


「口答えしないっ

 匠くん拒否権とかないから!!」






腕を組んでそう言うと、匠くんは呆れたように大きなため息をついて。


近くにあったいすを引いて、私の目の前に座った。








「…なに?」





久しぶりの威圧感のある低い声に、ちょーっとだけ怯むけど

大丈夫。


…私なら、言えるから。











< 263 / 275 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop