誰よりも、君が好き
春、温かい日差しが差し込む朝。
私は花崎悠~hanasaki yu~
今日から私は高校生になります。
心地のよい朝を迎え、
入学式までの時間はのんびりとすごそうかなー
チラリと時計を見ると、
針は8時を指していた。
…8時?
って、なんだかおかしい。
「遅刻だぁぁあああああ!!!!」
私は慌てて階段をかけおりる。
「朝からうるさいわよ?」
お母さんの言葉なんて構っていられない。
鏡の前でささっと髪をとかし歯を磨く。
制服をきて、リボンをきちんと整えたら…
「いってきます!!!」
慌ただしく家を飛び出た。
入学初日から遅刻なんて、
絶対するもんか…!!!!
意地も混じったその感情から、
出来るだけのスピードで学校までの道を駆け抜けていった。
新しい生活への期待と不安を抱え…
ながら家を出てきたはずだけど、
いつの間にかそんなものは落としてきてしまったようだ。