誰よりも、君が好き
入学から一月がたち、
一年生も最近購買で食べ物が買えることになっていた。
それでも私は、今まではずっとお弁当だった。
学校生活にも慣れ始め、
少しずつだけど、教室の位置とかも覚え始めてる……と信じたい。
…それにしても、本当に財布がない。
動揺やらなんやらで焦る私をよそに、
里奈が突然
「あっ」
という声を出した。
「え?なんかあったの??」
私がなにかした…とかいう可能性もある。
もしかして、私がとろいからもうすぐお昼休み終わっちゃう…!?
なんて思ったのもつかの間。
「みーつけたっ!!」
そう言って里奈は、私のポケットに手を伸ばした。
「あ、お財布……」
そして、里奈が取り出したのは、
紛れもなく私のお財布だった。