誰よりも、君が好き
目の前の彼…
結城匠くんは、回りを気にしつつ動揺しているようだった。
学校が始まってから入学式以来会えていなかった。
やっと、会えたんだって。
想いが溢れだして。
周囲が少し騒がしくなってきた。
彼にも迷惑をかけてしまっていると…分かっているのに。
彼のそばから離れられなくて。
それ以上に、離れたくないと言う思いが強くて。
廊下のある部分に人だかりが大きくなったとき。
結城くんは、
顔も上げられずにいる私の手を引いてどこかへ駆け出した。
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着いたのは屋上だった。
ドアを開く大きな音に、やっと冷静になれた気がして。
…どうしよう。
私ってば、凄いことしちゃった…!!!
今さらだけど、顔に熱がぎゅっと集まってくる感覚。
「あ、あの…ごめんなさい…」
私は身体の方向を結城くんの方に向け、
ペコッと頭を下げた。