誰よりも、君が好き




目の前の彼…


結城匠くんは、回りを気にしつつ動揺しているようだった。





学校が始まってから入学式以来会えていなかった。





やっと、会えたんだって。

想いが溢れだして。







周囲が少し騒がしくなってきた。




彼にも迷惑をかけてしまっていると…分かっているのに。



彼のそばから離れられなくて。
それ以上に、離れたくないと言う思いが強くて。







廊下のある部分に人だかりが大きくなったとき。



結城くんは、
顔も上げられずにいる私の手を引いてどこかへ駆け出した。









_____________






着いたのは屋上だった。



ドアを開く大きな音に、やっと冷静になれた気がして。





…どうしよう。


私ってば、凄いことしちゃった…!!!




今さらだけど、顔に熱がぎゅっと集まってくる感覚。







「あ、あの…ごめんなさい…」






私は身体の方向を結城くんの方に向け、
ペコッと頭を下げた。




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