誰よりも、君が好き
しかし、私はすっかり忘れていた。
「ゼェはぁ…はぁ…もう、むり…」
自分が、どれほどに体力がないかを。
あ、これ本格的にまずいやつだぞ。
絶対死ぬ。
もうだめ。
フラフラしながら、半ばほぼ歩きながらやっとの思いで学校に着いたときには、
時刻はすでに8時20分を回っていた。
まぁ、遅刻は家を出た時点で確定していたようなものだ。
未だおぼつかないままの足で、
校門をくぐる。
「おい、そこの新入生!!」
突然後ろから声が聞こえた。
他に人もいないし…
私のことかな?
振り向くと、そこには恐らく先生だと思われる人が私の方へ向かってきていた。