誰よりも、君が好き
開き直ってしまえば、難しいことなんてないのに。
「…認めたく、なかったのになぁ」
ポツリと言葉にすると、匠くんがいぶかしげな顔をしてきた。
「どういう意味?」
「匠くんには内緒ー」
「意味わかんないし。教えろ。」
「んー、いつかね!!」
「なんだよそれっ!!」
ちょっと必死になって聞いてくる匠くんがおかしくて、少しだけ意地悪してみる。
今はまだ"下僕"だけど。
いつか、匠くんともっと近づけた日に、ちゃんともう一度言葉にして伝えよう。
「匠くんのことが好き」って。
+ + + +
「ここで大丈夫!!」
「気をつけろよ」
「家まであと10mくらいだから!!
心配しなくてもなにもないよっ」
「お前だから分かんないだろ?」
「なにおう!?」
私がぷくっと頬を膨らませ、怒ったふりをしてみると、匠くんが笑った。
「バッカじゃねーの?」
今日一番のその笑顔は、私の胸にギュンって突き刺さってくる。
…かっこよすぎるのは反則だよ。