誰よりも、君が好き
駆け足で階段を登っていくと、屋上に着くまでに、私はヘトヘトになってしまった。
くそぅ…
体力づくりでもするか…!?
そんなことを思いながら、私は屋上の重たい扉を開ける。
ギギィィィ
金属の擦れる、嫌な音を聞き流して、広い屋上を見渡した。
匠くん、まだ来てないのかな…?
とりあえず中に入り、隅っこなどにいないかくまなく探してみる。
すると、匠くんは屋上の影に隠れ、顔の上に本を乗っけたまま寝転がっていた。
「匠くーん、悠ですー。
起きてますかー?」
なんだか緊張してしまい、敬語混じりの言葉が出てきた。
でも、匠くんの反応はない。
寝てるのかな、と思い、私は匠くんの顔を隠していた本を退けてみた。
「…たくみ、くん?」
そのときの匠くんの表情は、苦しそうで。
今にも泣き出してしまいそうなほど、儚いものだった。
…そして、極めつけはこれ。