誰よりも、君が好き
…あ!!
どうやら今の私の心情は、顔にも声にも出ていたようだ。
匠くんは大きくため息をついてこう言った。
「昼飯は言わなくても買っておくのが常識だろ?」
「き、今日までは忘れたことなかったもんっ」
「でも、今日は忘れたじゃん」
「うっ………」
か、返す言葉もございません……
「というか、下僕が俺にくちごたえしてんじゃねー」
確かに忘れた私も悪いけど、たった一回だし、そんなに言わなくてもいいじゃんか…
そう思いながらも、しぶしぶ謝る。
「…でも、今からだともう変えないよ」
「じゃあ、責任とってちゃんと俺のぶんもくれるんだよな?」
「へ?」
「弁当。
俺だって腹へってんだ。
早くよこせ。」
匠くんは偉そうにあぐらをかき、手のひらを上にして指先をちょいちょい、と仕草でくれと言ってくる。
…でも、買ってこなかった私は悪い。
ここは反省して、匠くんのぶんも分けてあげなきゃだよね。
私は持ってきたお弁当を開いて、匠くんの目の前に差し出す。