誰よりも、君が好き
「好きなの、どうぞ。」
私のお弁当はあくまでも女子の食べる量。
これ全部あっても匠くんには足りなそうだけど(なにしろ、いつも凄いたくさん食べてるんだもん)、今日は我慢してもらうしかない。
「…これ」
「?どうかした??」
「いや、誰がつくったのかなって。」
「あ、私だよ?」
そういったとたん、匠くんが物凄く意外そうな顔をして来た。
…って、失礼極まりないよね!?
「悠ってどんくさいイメージしかないし、絶対料理苦手だと思ってた。」
「なにしろ、料理くらいしかできないんで。」
誉められた気分で、ちょっとだけドヤ顔をしてみるけど、匠くんは鼻で笑った。
ぐむむ…
やっぱりムカつく…!!
私は怒りをぐっと抑え込み匠くんの言葉はスルーしてあげた。
「時間もうそんなにないよ。
はやく食べちゃって?」