誰よりも、君が好き
急に慌てだした私の姿を見て、
イケメン君は不思議そうに私を見つめている。
なんでそんなにかっこいいの…
とっさにそう思う。
…じゃないよ。
はやく行かないと、ほんとに入学式始まっちゃうって!!
「イケメン君、はやく行くよ!!」
さっきまでの疲れはどこへいったのか、
よく言葉の意味を理解していないままのイケメン君の手を引いて走り出す。
…けれど。
「ねぇ」
少し私に置いていかれ気味のイケメン君を振り返り、
こう言う。
「体育館って、どこ…?」
そういえば、
なんて言葉ではすまされないけれど。
私がしゃがみこんでいたのは、
校内で道に迷ったからだった。
…自分の間抜けさを疑うよ。