誰よりも、君が好き
そんなことをやっていると
キーンコーンカーン……
「うわっ予鈴なってる!!!
ごめん悠、また放課後。」
匠くんはそれだけ言い残して私は一人、屋上。
置いていかれたことに対して多少のイラつきはあるが、匠くんから発せられた「また放課後。」が嬉しくて、思わず口元が緩む。
…私もはやく行かなきゃ。
優等生を保つ匠くん
"夏希"と呼んだ匠くん
きっと私に言えないような過去があるんだなって思った。
いつか、聞いたら答えてくれるかな。
気づけば授業開始一分前。
間に合うように、でも疲れすぎないように、私は自分の教室まで戻っていった。
「…お弁当箱忘れた」
最終的には、授業開始のチャイムは屋上で聞くことになってしまったけれど。