誰よりも、君が好き
バシッ
「…んったぁ!!!」
「馬鹿かお前、なんでそんなに堂々と居眠りをしてやがる。」
目を覚ますとそこは普段と同じ教室で、目の前にいるのは先生。
怒られている声が聞こえるけど、私は夢の続きが気になった。
…匠くんに本当に聞いたら、なんて言うのかな。
聞かない方がいいって、分かってるけど。
欲に負けそうになる。
「…おい、花崎!!
ちゃんと聞いてるのか!?」
「…聞いてませんでした。
すみません。」
もう、どうだっていいや。
投げやりになった私は先生の言葉に正直すぎる返事をする。
恐らくそれが気にさわったのだろう。
「お前、今日の放課後職員室まで来い…」
…待って!!
放課後は匠くんと帰る約束が…!!
なーんて、言えるわけもなくて。
「分かったな?」
「…はい。」
私は大人しく先生に頷いた。