冷たい幼なじみに恋をして
イチゴアメって甘いけど、すっぱいんだよ!
いつかお前が言ってたな。
今考えれば、イチゴアメもお前にそっくりだ。
笑ってるけどどこか哀しげなお前の表情に。
なんでだろう、俺なんであんなことしたんだろう。
自然に足が動いて向かった先は駄菓子屋。
そこに、奈々の大好きなイチゴアメがあった。
「おばちゃん、イチゴアメ一つ。」
「あれ?りゅうくん。大きくなったね。
ほれ、イチゴアメ。1つおまけだ。」
「え?」
「奈々ちゃん、海岸のとこに行ったよ。
喧嘩したんでしょ?」
おばちゃんは昔と変わらない笑顔を見せてくれた。
「サンキュー、おばちゃん!」
イチゴアメ2つを握りしめて、海岸へ走った。
奈々は泣くときは必ず海岸にいた。
自分の気持ちを洗ってくれるって言ってたな。
ずっと変わってないな。