木漏れ日の約束

逆光で人物が誰だかわからなかったが、私は驚いて起き上がり、立ち上がろうとした。

その時、足を踏み外してしまい湖の方に倒れてしまった。

このまま湖に落ちてしまう!

そう思って咄嗟に目を閉じた。



しかし、その瞬間強い力で片腕を引かれ、腰を抱えられた。


思っていた衝撃とは違うのに違和感を感じつつ、恐る恐る目を開けると、見知らぬ男の子たちが私を支えてくれていた。


「大丈夫?妖精さん?」

腰を抱えてくれていた男の子が、優しげな声をかけてきた。

声の方に顔を向けると至近距離にいた。

あまりにも近くに顔があって驚いたが、何よりその男の子が見たこともない銀色の髪と紅い眼をしていたのにさらに驚いて声が出なかった。


「妖精さん…?」


腕を掴んでいた男の子からも声が聞こえたので恐る恐る見てみると、こちらも見たことのない黒色の髪と蒼い瞳だった。


「妖精さん、もしかして喋れないのかな?」


少年たちはお互い見合わせて、同じように首を傾げ、それぞれの色の眼でこちらを見つめてくる。


「とりあえず、上へ移動しよう。ここは斜面だからね」

銀色の髪の少年はそう言いながら、もう片方のわたしの手を引いて誘導した。




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