木漏れ日の約束

移動している時に、2人の顔を改めて見ていると髪の色や瞳の色は違っても似たような顔つきをしていた。双子なのかもしれない。

2人に丁寧に腕を引かれ、ちょうど良い木陰に3人で腰を下ろした。

「あ、ありがとう、ございます…」


ぎこちなく御礼を言うと、突然私が喋ったことに今度は少年たちが驚いていた。

「妖精さん!喋った?!」

黒髪の少年がドキドキとした表情でこちらを覗き込んでくる。

「妖精さん、可愛い声だね」

銀色の髪の少年は微笑みながらこちらを見つめる。

ふと、2人が私のことを妖精さん、と呼んでいるのに気づくと可笑しくて笑ってしまった。


「ふふっ…私は妖精さんじゃないです、ふふふっ」


最初、笑いだした私を不思議そうに見ていたが、気づくと少年たちも釣られて笑っていた。

「君は妖精さんじゃないんだね?」

銀色の髪の少年が不思議そうに尋ねてくる。

「私は人間です。妖精さんみたいに飛んだり出来ないので」

「へぇ…ニンゲンなのか」

「…御二人はここにはよく来ていたのですか?」

「そうだよ。ここなら誰にも見つからないからね。でも今日は初めて先客が居て、僕たちちょっとドキドキしてたんだ」

銀色の髪の少年は続けて自らをルキ、そして黒い髪の少年を弟のアキトだと紹介してくれた。
見たことのない衣服を着ていることと、誰にも見つからない、と言っていることから、何処かの王族なのかもしれないと思った。


「ルキさま、アキトさま。はじめまして、私はクレアです」

そう言って軽くお辞儀すると少年たちは頬をピンクに染めて、ルキは優しく微笑み、アキトは何やら恥ずかしそうにしていた。


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