木漏れ日の約束

少年たちは私と同じ10歳くらいの外見のようだが、顔つきは精悍で美しいという表現がしっくりくる美術品のようだった。

お兄様も美しい御顔だと思うが、それ以上にこの少年たちは美しかった。

ルキさまの銀色の髪に紅い瞳も、アキトさまの黒髪に青い瞳も、浮世離れしているからかもしれない。前に読んだ神話に出てくる神龍のようにも感じた。


「クレアを見つけた時ね、実は花の妖精さんみたいだねってアキトと言ってたんだよ。妖精さんじゃなくても、クレアは可愛いし、その深緑色の瞳も素敵で僕は好きだな」

「ぼ、僕もクレアのこと、可愛いしお淑やかでとても好き、だよ!」

ルキは少し大人びているのか、紳士のように微笑んでくる。アキトは少し奥手なのか、恥ずかしそうにしつつも真剣な目でこちらを見つめてくる。

お兄様も私のことをよく可愛いがってくれるが、他の人からそう言われるのは初めてで、何だか少しむずがゆく恥ずかしかったので、ありがとう、とだけ言っておいた。


「ルキさまもアキトさまも、私が見た事の無い不思議な髪色と眼の色をしていらっしゃるのね。まるで神龍のよう…」


思ったままにそう言うと、何故か少年たちは黙り込んでしまった。気分を害するつもりはなかったが、何か言ってはいけないことがあったと思い、すぐさま謝ろうとしたところ、ルキはそれを制した。

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