木漏れ日の約束
「クレアはすごいね」
ぽつりと呟くようにルキが言うとアキトも同じように呟いた。
「神龍かぁ」
二人の様子が先ほどと違った。アキトがこちらを見てふと笑ってみせるものの、二人の神妙な雰囲気は変わらなかった。
「僕たちそんなふうに言われたの、初めてなんだ。いつもこの髪の色や眼の色で怖いって言われてきたから、ちょっと驚いちゃった」
「クレアは優しいね」
ルキとアキトが嬉しそうに微笑んでくれたのを見て安心した。
その直後、森の中からクレアを呼ぶ声が聴こえた。
「お兄様……探してらっしゃるみたい、私もう帰らねばなりません」
そう告げると、ルキとアキトも空を見上げて何かを感じ取ったのかお互い頷きあっていた。
「僕たちの方も呼ばれてるみたい。クレア、今日は君に会えて本当によかった。出来ればまた会いたい」
「…ごめんなさい。私もルキさまとアキトさまにまたお会いしたいのですが、あまり屋敷から出られません…今日は内緒で抜けて来たので、もう今後こちらに来る事は出来ないのです…ごめんなさい」
名残惜しいと思いつつそう告げると、ルキとアキトはにっこりと笑ってこう言った。
「それでは、僕たちがクレアを迎えに行くよ」