木漏れ日の約束

「迎えに…?」

「そう、そうだ!クレア右手を出して」

「右手…こうでしょうか?」

「そう、これを君に」

ルキは差し出した私の右手の薬指に、身につけていた黒いリングを嵌めてくれた。

それを見ていたアキトも同じように私に左手を出すよう促して、左手の薬指にアキトが身につけていた白いリングを付けてくれた。

どちらもシンプルな鉱石でできた指輪だった。


「御守りで目印だから、失くさないでね」

ルキがそう言うと、2人の少年はクレアの手を取ったまま、目を閉じて軽く会釈してそれぞれクレアの指のリングに軽く口付けした。

前に読んだ物語の、姫に忠誠を誓う騎士のような優雅な姿に、クレアはどきりとした。


「じゃあ、また会う日まで」

そう言ってルキとアキトは名残惜しそうにクレアを置いて森の中へと去っていった。



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