碧空にキスを
いつか、3人で缶を傾けながら他愛のない話ができるようになるのを待っていた。
居酒屋でおつまみを食べながら、くだらない昔話をしては笑い合う。
そんな日が来ると信じて疑ってなかった。
昔、といっても3年しか経ってないがこんな風に思い出すのはいつぶりだろう。
古傷を抉ることになるとはわかっているけど、今日で大人になったんだ。
同窓会だって悪くはない。
…もし、本当に同窓会ができていたら。
お前はあいつにまた喧嘩を売って殴り合いになって、私が止めに入って。
ふと、舌の上にビールとは違うしょっぱい味が広がり思わず苦笑が漏れる。
馬鹿やろう、と呟く声は小さすぎて誰にも届かず空に吸い込まれた。