碧空にキスを





掃除を終えた私たちはやっと解放され、帰宅の準備をしていた。



「逢は…一緒に帰れる?」



「ごめん、無理」



冬麻にそう伝えるとローファーを履き急いで門を出た。



やばい。



待たせてる。



さっきから携帯に電話をしているが繋がらず、とりあえずは待ち合わせ場所まで行くしかない。








「すみませんっ!」



待ち合わせ場所ーー、駅前の広場。



「ああ、逢ちゃん。あんまり遅いから今日は来ないんだと思ってた」






先輩に呼び出されたのは、2週間前。



ーーー私何かしたっけ?



始めはそんなことを思っていた。



「俺と付き合ってください」



ーーーえ?



ーーー私?



綾斗先輩は陸上部の部長でイケメンで背も高くて優しくて。



つまりは女の子がみんなキャーキャー言って部活を見にくるような、1週間に1通はラブレターをもらうような、そんな人なのだ。




当然私とは接点がない。




< 4 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop