碧空にキスを



「え、あの、先輩?とととりあえず頭上げてください!!」



目の前で学校の王子様が私に頭を下げているーーー、そんな大体の人間は一生経験しない状態を目の前にしどろもどろになる。



「逢ちゃん、俺は本気だ。一目見てからずっと君のことが好きだった」



俗に言う一目惚れってやつ?



………悪い気はしない。



なんてったって相手は学校の王子様だ。



何度も言うが学校の王子様だ。



これがパッとしないモブだったらトキメキもクソも無かったけど。



「こ、こちらこそ……よろしくお願いします………」



こんなイケメンに告白されたのなんて初めてでどもってしまう。



「本当に!?!?俺もよろしくね!」



それからもうすぐ1ヶ月。



先輩とは何回かデートを重ね、だいぶ距離も縮まった気がする。



「ちょっと色々あって……遅れて本当すみません!!」



「大丈夫大丈夫」



「でも…すごく待たせちゃいましたよね……」



「……じゃあ、今日は俺に付き合ってもらおうかな」


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